手話カフェが出来るまで

2013年5月25日 念願の手話カフェをオープンしました。
本格的なものではなく地元の憩いの場のようで気軽にいてもらえるような場所作りを目指しました。

今やあっちこっちろうのオーナーが誕生しています。
浜松では「珈琲とエンピツ」で有名になったサーフショップを経営する太田さん、
東京では「Sign With Me」でメディアでも話題になった柳さん。
そのほかにもいろいろな方面で頑張っていらっしゃいます。

手話カフェを設けた理由はいくつかあるのですが、3つあげます。

1.以前から手話で語り合える憩いの場を作りたかった。
  
  私は講演に行く機会が多く、あっちこっちで声を聞くのは
  手話講座で学んだ人が卒業後、使えずにもてあましている人が多い。
  手話を使える場所があまりない。あるとしたら手話サークルくらい。
  手話を使った交流の場が欲しい。
  
  聴導犬は知っていますか?
  また、障害者、人種に関係なくボーダーラインを作らずみんなで交流できる場所。

2.ろう重複の支援
  ろう重複が作った作品の販売先が限られている。
  どれくらいの人がろう重複の存在を知っているのだろうか?

3.地元密着の地域ふれあい
  2年前の震災をきっかけに地元のつながりが大事と実感。
  
  毎回思うのですが、普段生活は不自由なく何でもできます。
  しかし、災害となると障害者は本当に弱いですね。なにもできません。
  私たちろう者は耳が聞こえません。
  この世は主に耳の社会で沢山の情報があっちこっちと溢れかえっています。
  普段はメールやインターネットやテレビの字幕で情報をなんとか得ています。
  障害者は災害になるととても弱いです。
  ろうは聞こえないために情報がなかなか得られません。
  しかし災害となると町内の警報アナウンスが鳴ります。
  私は聞こえません。誰かに言われるまで何も分かりません。
  周りの様子がおかしいと気がつくまで分かりません。
  小さいことは目をつぶってもいいですが、2年前のような大きい災害だと
  なおさら生き抜くのが難しくなります
  

  町にあるアナウンスさえも分かりません。手話通訳者が一番の頼りなのですが
  常に通訳者がいるわけではありません。
  毎日の生活でどれくらいの地元に知り合いがいるのだろう?
 

 
 
  文明が発展し、便利になっても最後は機械が人を救うのではなく人の心が人を救うことに
  なるのと思っています。
   となりますと地元の付き合いがあるかどうか?
  付き合いがあれば私が聞こえないことはみんな知ってる。
  避難所へ行っても顔見知りがいる。コミュニケーション方法も分かってる。
  それだけでもストレスが大きく変わってきます。
  全く無いと、みんなは私が聞こえないことを知らない、誤解されないように説明が必要。
  それだけで何かと精神面的にストレスがかかってしまう。

  この3つを一つの目標として手話カフェを設けることにしました。
  ただ、初期投資がもちろん大変で場所はどうするかと悩みましたが、
  地元の区民大学の中の福祉講座や手話寺子屋で知り合った太田さんの紹介がありました。
  風雷社中なら協力してるれるかもよと言ってくれたのをきっかけにすぐ進めることができました。
  しかも無料で場所を提供していただいたことに感謝しております。

  幸いにカフェ類は私が取り扱っており、クッキーはろう重複が作っております。
  カフェ2杯とクッキー1袋で500円を1セットにして交流を楽しみながら支援する形に
  持っていきたいと思いました。

  紙コップとか必要経費とかありますので入場料200円プラスカフェ代500円で
  最低でも700円の支出になります。クッキーやカフェの販売もしておりますので、
  欲しい方はその場で購入できるような形にしております。

  5月25日は最初のスタートです。

  今後はいろいろな情報も発信でき、皆さんの情報も持ち寄りしていただいて
  皆さんの心のオアシスになれるような場所作りを目指していきたい。

  手話べりがテーマなので手話で話すことが手話カフェのモットーですが、
  これから手話を始めてみたい人
  いろいろな人と交流してみたい人は歓迎します。
  但し、偏見なく付き合いができることをお願いしたいと思います。

  こうやって地元のつながりができれば避難所へいっても顔見知りがいると安心するものです。
  子供の学童クラブがあるのと同じように大人にもそういう場所があっていいと思う。

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